よいことも、悪いことも考えない(不思善、不思悪)


「無門関」という禅の著書に「不思善、不思悪」という言葉が出てきます。
これは六祖慧能(えのう)が善の本旨は「不思善、不思悪。よいことも、悪いことも思わないことだ。」と明上座に説いたものです。
「不思善、不思悪」と示されたこの教えは禅、否、仏教の根幹をなすものです。


よいことを考え、悪いことは考えるなというのが常識的な教えですが、仏教ではよいことも、悪いことも考えるな、その何も考えないところに本当の心の働きがあるのだと教えます。
悪い過去は考えないようにしましょう。
それには、よいことを考えないということから始めるのです。
これは、よいことだから考えてよいなどと思うと、嫌なことはさらに思い出されるのです。
よいことを期待しないと心は楽になります。

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