五薀皆空(ごうんかいくう)


五薀とは、「色・受・想・行・識」の五つの感覚レベルのことを言います。
では、五つの薀(うん)というものを具体的に表してみましょう。


色、ある女性がいた。
受、かわいいと受け止めた。
想、結婚したいと思った。
行、走って行って「結婚してください。」と言った。
識、「お断りします。」と言われ、そういう形で落ち着いた。


さて、そこにかわいい女性がいたと思うのは実は「空」です。
そして、その「空」であることを私たちは本物だと思って生きています。
だから「空、即(すなわち)是(これ)・色」です。
受け止めたものが本当は「空」なのに、その「空」なるものは私の認識として受け止めたものなので、それも「空・即(すなわち)・是(これ)・受」なのです。
それでは、この「空」とは何かという話になります。
「空」とは存在はするが、性格付けされていない物事という意味です。


ありとあらゆる全てのものは「空」。
存在する・発生する・状況はありますが、その姿形が一定なわけではなく、決まっているものではありません。
自分がそれを決めているのです。
病気になって、それが辛いと思うか、その結果として、自分が今まで分からないことが沢山分かるようになって良かったと思うか。
どちらだと思うかは本人の勝手です。
本人の思想や考え方によります。
事故や災難、問題と思えるものもあらゆるものは「空」。


全部自分が勝手に決めているだけです。
全ての現象、私たちが感じることは、本質は「空」です。
これが、五薀皆空(ごうんかいくう)ということです。
このことが分かった瞬間に、私たちは悩み・苦しみをゼロにすることができます。
悩みも苦しみも結局、自分が「いけないこと」「嫌なこと」と、決め付けているだけなのかもしれません。

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