心は万境に随って転ず


楽しい、悲しい、嬉しい、苦しいというような思いは煩悩があるからこそ湧いてくる感情です。
よく考えてみれば楽しい、悲しい、嬉しい、苦しいという感情には何ら実体がありません。
心が喜怒哀楽を繰り返すのは時や縁に従って心が動くだけのことです。
実体と呼ぶべきものはありません。
そうであるなら喜怒哀楽に拘る必要はありません。
だから、無感動に生きなさいということではありません。
喜びも悲しみも心が縁を得た時だけのものです。


すぐに無に帰すものであるから喜ぶ時には心から喜び、悲しい時には心の底から悲しむようにということです。
愛も同じです。
人を愛する時には心の限りを尽くす。
しかし、そこに執着を持ってはいけません。
相手がどう思おうと心変わりをしようと仕方がありません。
心が転じる時には転じるままに受け止めます。
できることは常に目の前のことを精一杯感じ取り、精一杯取り組むだけなのです。

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